LOVEGスペシャルインタビューvol.9【前編】
「人と農と食とアート 自然の協奏曲」をテーマにしたKURKKU FIELDS
「人と農と食とアート 自然の協奏曲」をテーマに、都心から車でわずか1時間、または高速バスで80分の千葉県木更津市にある、「KURKKU FIELDS」(以下:クルックフィールズ) は、音楽プロデューサー小林武史氏が手がける、農業、食、アートが一体となった新しい形の複合施設です。
広大な約9万坪の敷地では、新鮮な野菜や家畜が育まれ、訪れる人々は農業体験や地元の恵みを感じながら食を楽しむことができます。また、草間彌生などの現代アーティストによる作品も展示され、自然とアートが見事に融合した空間で、心豊かなひとときを過ごせる空間です。
クルックフィールズは、LOVEGのイベント出展や、Living Workshopの開催場所としてもご協力いただいている、深い繋がりを持つブランドの一つです。
施設の入り口にあるマーケットでは、「LOVEG」の製品も取り扱っていただいており、地域の特産物を活かした商品やオーガニックな食材をメインに提供しています。今回は、クルックフィールズの運営において大切にしている理念や、「LOVEG」への想いについて、マーケット担当の佐藤剛(以下:佐藤)さんと豊岡佑介(以下:豊岡)さんにインタビューさせていただきました。
マーケットは、会話・態度・姿勢を通して思いを伝える場所
LOVEG - クルックフィールズ「マーケット」の運営において大切にされている理念などありましたら教えてください。
豊岡 - マーケットの運営において、「売れる」ということはお店を続けていく上で、大切な要素ですが、私たちは利益だけが最優先ではないと感じています。
マーケットに置いているものは、千葉県産の素材を使った商品が多く、全国、さらには海外から取り寄せたアイテムにおいては、伝統的な製法を守り続けているものが多いです。商品は、環境や地球への配慮も大切にしていたり、作り手さんのこだわりを感じられる商品をセレクトしています。
私たちのマーケットの特徴として、ポップなどの視覚情報が少ない点があります。商品の魅力は、対面での会話を通じてお客様に直接伝えるよう意識しています。言葉だけでなく、態度や姿勢でもその思いが伝わるよう努めています。
コミュニケーションを大切にした、チャレンジングな売り場作り
佐藤 - 売り場は、カウンターを囲むオーバル型のデザインになっており、分かりやすく例えると、宝石店のような、ぐるっとお話しできるような、接客カウンターのようなイメージです。コミュニケーションを大切にし、一つ一つの商品を際立たせるために、この形にしました。
マーケットのデザインは、タイニーハウス(クルックフィールズ内の宿泊施設)の設計を手掛けた竹内友一さんにお願いしました。彼との相談の中で、こうしたデザインが生まれました。
私は20年近く小売業に関わってきましたが、これはかなりチャレンジングな売り場作りだと思います。それでも、私たちが目指す方向性にはぴったりだと感じ、この形に決めました。一般的に見たら、商品が売りやすい売り場ではないですが、「コミュニケーション」を大切にしたい私たちには、理想的な売り場だと思っています。
生産者と消費者をつなぐ場所であり、正確な情報をお届けすること
佐藤 - 私たち小売業の役割は、仕入れた商品の魅力や背景をお客様に伝えることだと考えています。そのため、可能な限り、取引先や作り手としっかりコミュニケーションを取り、その熱い思いをお客様に届けたいと思っています。
私たちが目指しているのは、単に「価値をつけて儲けよう」ということではなく、本当に大事にするべきものは何か、どのように製品化されているかを伝えることだと思います。生産者と消費者をつなぐ場所であり、正確な情報をお届けすることが私たちの役割だと考えています。
まず千葉県産でローカルなもの。社会的に大切にすべき価値観を共有できる商品。
LOVEG - LOVEGを選んでいただいている理由や、他の商品のセレクト基準について教えてください。
佐藤 - 「顔がわかるもの」、つまり信頼できる友達のモノを売るのが一番信頼できると思うんです。売る側としてお伝えすることを考えて、その点が一番大切だと考えています。
道の駅とか行くと、千葉県産の大豆ミートが売ってたり大豆ミートとここで呼ばせていただきますが、世の中には商品がいっぱいあります。他にもあるけど、LOVEGを選ぶ理由としては、描いている未来が、他とは違うと感じていますし、そこに共感して一緒に伝えていきたいと思っています。
売れるから選ぶのではなく、共通の価値観を持つことが大切
佐藤 - 他のブランドさんでどういう基準で選んでるかというと、まずは千葉県産でローカルなもの。なおかつ環境に配慮されていたり、アニマルフェアだったり、社会的に大切にすべき価値観を共有できる商品を選んでいます。
イレギュラーではありますが、オーガニックではないもので、富津の醤油蔵の商品も扱っています。ここは100年以上続く伝統的な醤油村で、地元の老舗醤油がなくなることを避けたいという思いから、大切にしています。オーガニックでないからと言って排除すべきではないと考え、よりベターな選択はどちらかを考えてセレクトしています。
一方で、千葉県外の商品、例えばシーベジタブルのようなものは、より厳選しています。単にオーガニックだからという理由ではなく、ビジョンや背景に共感できるもの、または何らかの繋がりがあるものに絞り、選んでいます。売れるから選ぶのではなく、共通の価値観を持つことが何よりも大切だと考えています。
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前編では、KURKKU FIELDSがどのような施設であるか、そして、マーケット運営を担当する豊岡さんと佐藤さんの想いについてインタビューさせていただきました。
豊かな自然環境の中で、農業、食、アートを楽しむことができるこの場所は、新しい形の「豊かさ」を体験できる場所です。
次回の後編では、実際に「LOVEG」を手に取った方々の感想や、クルックフィールズが持つさらなる魅力に焦点を当てていきます。どうぞお楽しみに。
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