日本には、季節の移ろいを24の節目で表す「二十四節気」という美しい暦があります。
一つの季節「春」の中にも、立春からはじまり、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨…自然の わずかな変化の移ろいを言葉にし、暮らしに取り入れてきた先人たちの感性が、そこには 息づいています。
一方で、私たちの心と体もまた、自然とともに静かに、そして確かに変化しています。
旬な食材には、その季節に必要な栄養素が備わっていると聞いたことがあります。
お互い に必要とすることで、共に長い時間を歩み命を繋いできた。 自然界の生命循環の一部の「食」。
季節の変わり目に感じる、だるさや肌荒れ、気持ちの揺らぎなども、自然のリズムと調和 した「食」を食することで、緩やかに調和していくのでは無いかと思います。
このコラムでは、二十四節気の知恵を取り入れながら、その時期特有の不調やお悩みに寄 り添うレシピや工夫をお届けしていきます。昔から伝わる季節の知恵や、体をやさしく整 えてくれる素材を知ることで、料理はもっと頼もしい味方になってくれます。
自然とともにある台所は、日々の暮らしを整える小さな薬箱。忙しい毎日でも、ほんのひ と皿のやさしい料理で、自分を大切にする時間をもてますように。
―立夏 / 小満 / 芒種―
5月に入ると立夏を迎え太陽の光が力を増し、草花がいきいきと育ちはじめます。
夏の兆しが現れ、吹く風に青葉の香りも感じますね。
梅の木には時の滴を吸い込むように青梅が静かに実り、
田んぼには水が入り若苗が並ぶ風景も広がっていることにも気づきます。
畑には新じゃがいも・新玉ねぎ・そら豆・スナップエンドウなどが旬を迎えます。
爽やかな香りが特徴の、新しょうが・青じそ・山椒・みょうがは料理のアクセントになります。
この季節には湿気が増え、気温も急上昇するため、体は「余分な水分」や「熱」を抱えやすくなります。また、紫外線も強くなるので日焼けや肌荒れも気になりますね。
そら豆にはビタミンB群やカリウムが豊富に含まれており、むくみや疲労感が出やすいこの時期の体調管理におすすめの食材です。また、新生姜に含まれるジンゲロールという辛み成分に、血行促進作用があり、体を温める働きがあります。東洋医学的に、辛味と発汗作用によって“余分な熱を追い出す”とされています。
今回はそんな そら豆と新生姜をソイミールに合わせて、初夏の炊き込みご飯を作ります。
新生姜が爽やかに香り、そら豆の鮮やかな緑色が食欲をそる“そら豆と新生姜のソイミール 入り炊き込みごはん”。 冷めても美味しいので、おにぎりやお弁当にもおすすめです。
そして、新茶もおいしい季節。飲み物は緑茶を合わせてみませんか?緑茶に含まれるポリフェノールやビタミンCは、抗酸化作用やコラーゲンの生成を助けてくれる栄養素です。急須で丁寧にお茶を淹れる時間はとても豊かなひとときです。
そら豆と新生姜のソイミール入り炊き込みごはん
【材料】
白米 2合
ソイミール(ミンチタイプ) 大さじ2
そら豆 100g(薄皮付き)
新生姜 20g
☆酒 大さじ1
☆薄口しょうゆ 大さじ1
☆塩 小さじ1/2
☆出汁昆布 1枚(5cm角)
水 炊飯器目盛り2合目まで
【作り方】
➀ 米をといで、30分程浸水させる。その後、ザルに上げて水をきる。
② ソイミールは熱湯に5分程浸した後、水で洗い、水気をしぼる。
③ そら豆はさやから取り出し、黒い部分に切込みを入れ、熱湯で3分程茹でる。新生姜は千切りにする。
④ 炊飯器に米・☆を入れ、2合の目盛りまで水を加える。2と4を加え、炊飯する。
⑤ 炊きあがったら、薄皮をむいたそら豆を加えて、さっくり混ぜる。
レシピで使用したLOVEGのアイテムはこちら
Written by 西直美 / Tablefor
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